
お好きなプログレ・アルバムと、愛用のiPodを持ってきていただき試聴。コンパクトながら高性能のK-521に大満足。
| インタヴュー/文:大塚康一 写真:小嶋秀雄 『THE DIG presents プログレッシヴ・ロック』掲載 |
本物のオーディオ・システムは、いつの時代でも常に最先端の技術を使いこなしている。コンパクトながら、その音の良さで定評のあるケンウッド「Kseries」の最新モデル「K-521」は、従来のCDはもちろん、今や音楽ソースとして欠かせないiPodからも最良の音を引き出すべく、専用デジタルドックを搭載している。
果たして、K-521はそれらのソースを、どのような素晴らしい音で再生してくれるのか……ジェラルドの永川トシオさんにお気に入りの曲を試聴して頂き、感想を伺ってみた。
ロジャー・ウォーターズ『死滅遊戯』
「このCDはQサウンド(注=2chでサラウンド効果が得られる一種のヴァーチャル・サラウンド)で作られていて、音に奥行きがあるんですよ。それが今ちょっと聴いただけでも、よくわかる。ピアノが前に出てましたもんね。うちでもスピーカーをちゃんとした場所に置かないとそれがわからないんですが、ここに一瞬立ってただけでもちゃんと再現できてましたね。凄いですね」
K-521は特にQサウンド対応は謳ってはいないが、試聴位置による音の聴こえ方の違いを低減し、自然な音場を再現する新しい音響テクノロジー、「CONEQ」の採用がプラスに働いているのだろう。これはスピーカーから放たれた音を、点ではなく400ポイントの「面」で捉える補正技術で、周波数特性だけでなく、タイムアライメント(注=音が耳に到達する時間)も最適な状態にし、 音の定位や細かい信号の再現に優れた効果をもたらす、というものだ。」
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| 『リング・オブ・エタニティ』 ジェラルド ALTAVOS / SKY STATION INC.◎ALT-30 (2010年) |
『死滅遊戯』 ロジャー・ウォーターズ ソニー◎MHCP-693 (1992年) |
『オメガ』 エイジア キング◎KICP-1470 (2010年) |
『スキャニング・ザ・グリーンハウス』 ザ・フラワー・キングス アヴァロン◎MICP-10076 (2000年) |
『ナイト・アフター・ナイト』 U.K. ベル・アンティーク◎ (1979年) |
エイジア『オメガ』
「スネアとかのリヴァーブがよりわかりますし、細かい音まで良く聴こえますね。こんな豪華な感じはなかったですよ(笑)、うちで聴いた時は。うーん凄い。低音が良く出ますね。かといって高音が足りないわけではなく、こもった感じもありません」
永川さんのお宅では大きな音も出せるが、敢えて小さめの音量で聴いていらっしゃるそうだ。実際、日本の住宅事情では、むしろ大音量よりもそこそこの音量で良い音で聴けるということが重要かもしれない。
ザ・フラワー・キングス『スキャニング・ザ・グリーンハウス』
「凄いな、全然違うな(笑)、うちで聴いてると、こういうフレーズをキック(バスドラ)が叩いてるというのがわからなかったですもん。今初めて知りました、というぐらい低音がわかりやすいですね。また、リヴァーブとかがハッキリわかります。うちで聴いてると、他の雑音とか家の構造とか、そういうのが原因で無くなってしまって……。こちらが本当なんだなという気がしますね」
U.K.『ナイト・アフター・ナイト』
「昔のライヴ音源なので音圧が低くて、最近のCDより少し大きめの音量でかけるとはっきりした感じにはなりますね。80年ぐらいのライヴ盤なのでもっと古臭く感じるかと思ったんですが、全然大丈夫ですね。まったく古く感じませんよね、凄い」
スティーヴ・ハケット『アウト・オブ・ザ・トンネルズ・マウス』
最後に、ご愛用のiPodを、K-521にセットしてチェック。
「かっこいい。いやあ凄いですよ。迫力がありますね」
初めてこの音から聴いた人は、これで十分というほどの良い音だった。
ただし、永川さんはiPodの音データを、MP3では最高クォリティのビットレート320kbpsまで上げて圧縮している。これは、iPodから良い音を引き出すためには不可欠の設定だ。
しかも、K-521のドックはデジタルドック。つまり、iPodのデジタル出力をそのまま取り出せ、デジタル・アンプに直結して鳴らしている。この音質劣化の少ない「デジタル伝送方式」により、アナログ伝送方式と比べて飛躍的に音質が向上。クリアで歪みの少ない音楽を楽しむことができる。さらに、例の「Supreme EX」がiPodにも対応しているため、より自然な音質で再生されているのだ。
「いや、この大きさと価格から考えると、とっても衝撃的です(笑)。もっと高いシステムで、大きなスピーカーで聴いたような音が聴こえたので。今まで結構お金掛けて(笑)買ったりしてたのは何だったんだろう的な。難しいセッティングもなく、簡単に置くだけですしね」
まさにデジタル技術の進歩ということだろうか。すなわちK-521は、今最も進歩的=プログレッシヴなオーディオなのかもしれない。






