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ニュースリリース
<新製品案内>
最先端デジタル技術により、鮮明な雲画像の静止画・動画再生が可能!
MTSAT*(ひまわり)雲画像受信システム「ウェザーサット500」を開発・発売へ
* MTSAT(Multi-functional Transport Satellite)・・・運輸多目的衛星
株式会社ケンウッド(社長:河原春郎、本社:東京都八王子市)が全額を出資する子会社、株式会社ケンウッド・コア(社長:伊藤徹、本社:神奈川県横浜市)は、このたび「ひまわり5号」の後継である、運輸多目的衛星「MTSAT(ひまわり6号)」から送られるデジタルのLRIT信号*による雲画像を直接受信するシステム「ウェザーサット500」を9月上旬から発売します。
20年の長きにわたる研究開発の中で培った技術力と信頼性により、気象庁をはじめ、各省庁、各種学校、民間企業を中心に1,200件以上の顧客から支持され、圧倒的なシェアを誇る前モデル「ウェザーセンサー」をベースに、最新のデジタル技術を駆使して開発を完了した当システムにより、更に鮮明な雲画像の受信と様々なデータ処理を実現します。
* LRIT(Low Rate Information Transmission)・・・低速情報伝送 |
品名 |
型番 |
希望小売価格
(本体価格) |
発売時期 |
MTSAT(ひまわり)雲画像 受信システム |
ウェザーサット500 |
オープン価格 |
9月上旬 |
★製品の概要 〜旧ひまわり画像受信システム「ウェザーセンサー」からの継承〜
「気象」は、日常生活に深く関わるだけでなく、地球温暖化、異常気象によって引き起こされる洪水や食料供給の変動など、世界経済をも左右する重要な問題となっています。そのため「気象予報」は現代社会においてますます重要なものとなり、民間企業による気象ビジネスの誕生や、「気象予報士」の国家資格化など、天気予報のビジネス活動と気象情報の密接な関係への関心が高まっています。
弊社は、静止気象衛星「ひまわり」からの雲画像受信にいち早く注目し、衛星放送受信システムの開発・商品化で得られた、高周波技術の応用によって、1985年8月より静止気象衛星「ひまわり」画像受信システム「ウェザーセンサー」シリーズを販売してきました。同シリーズは、その優れた性能と操作性、高い信頼性が評価され、気象庁をはじめ、各省庁、各種学校や民間企業など1,200件を超えるユーザーの圧倒的な支持を受け、気象観測や防災、研究分野で活躍してきました。
今回、新たに運輸多目的衛星「MTSAT(ひまわり6号)」が2月26日に打ち上げられ、6月28日から正式運用を開始し、データ伝送方式がデジタル化されたことによって、従来のアナログデータ(WEFAX信号)に比べ高品質な雲画像を短時間に伝送できるようになり、より多くの動画再生や精度の高い立体映像の描写などが可能になりました。
弊社は、これをビジネスチャンスととらえ、従来の「ウェザーセンサー」の研究開発で得た技術やノウハウと最先端デジタル技術の融合をはかり、このデジタル方式に対応した高性能な雲画像受信システム「ウェザーサット500」を開発しました。
「ウェザーサット500」では、雲画像をデモンストレーションするのに便利な、自動運転機能を標準で装備し、公共施設や各種学校などユーザーのニーズに合わせた処理が可能になるなど、さらに利便性を高め、既存の「ウェザーセンサー」ユーザーの買い替え需要を喚起するとともに、気象庁をはじめ、官公庁や各種学校など幅広い分野で新規需要の開拓をはかります。
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★「ウェザーサット500」の主な特長
- 高品質なデジタルデータの雲画像を直接受信
LRIT信号では、全球、東アジアポーラステレオ、北東日本ポーラステレオおよび南西日本ポーラステレオの4領域において赤外および可視で撮影された雲画像が8種デジタルデータで配信されます。
「ウェザーサット500」ではこの4領域8種の高品質な雲画像を、MTSATから直接受信し、コンピュータに保存できます。
画像のサイズは、全球が2200×2200ピクセル、全球以外の3領域は800×800ピクセルで、画像の階調は可視が64階調、赤外が256階調です。
- 緯度経度海岸線の表示・消去も可能な表示機能
雲画像は、各階調を擬似カラーで表示ができ、0.1倍から20倍まで拡大縮小(0.1倍から2倍までは10%単位、2倍から20倍までは50%単位) が可能です。
また、全ての画像において、緯度経度海岸線の表示・消去、海岸線強調および陸地部分色分け表示が可能です。
緯度経度海岸線あり |
緯度経度海岸線なし |
- 雲の流れがよくわかる、多彩な動画処理機能
時間の流れに沿って画像を見たい時に便利な動画表示を装備。画種・枚数・間隔・拡大率・緯度経度海岸線の表示・消去、海岸線強調および陸地部分の色分けを自由に組み合わせられ、50種類の動画パターンを保存できます。また、台風のような顕著な雲をマーカー軌跡機能で追跡することも可能です。使用頻度の高い動画パターンは、5種類までの動画がワンクリックで実行可能です。
- 雲画像のグラフや鳥瞰図も表現可能、雲画像解析機能
指定したポイント(複数点)を結んだ線上の「雲の高さ」をグラフで表示でき、雲の様子を立体的に表す「鳥瞰図」表現も可能です。
また、任意の箇所に、天気記号、前線および線図の書き込みができます。飛行ルートや要注意地域の確認等、気象観測や学校教育の現場で活躍できる便利な機能です。
鳥瞰図表示 |
天気図記号・前線 |
- 公共施設や学校などのデモに最適な自動運転機能
科学館や学校などで雲画像をデモンストレーションするのに便利な機能です。動画、緯度経度、海岸線の表示・消去、海岸線強調および陸地部分色分け表示を自由に組み合わせ、エンドレスに自動運転することができます。
- FTP転送による画像の外部出力が可能
受信したPCにおいてIPアドレスやポート番号などを設定することで、他のPCに画像を転送できます。指定した画種の自動転送と表示されている画像のみを転送する手動転送があります。
- LRIT信号を確実にキャッチするKSW-500
KSW-500は、受信したLRIT信号を復調し、PCへのデータ出力を行います。
前面パネルのレベルメーターで受信電波の強さを把握でき、かつブザー音でも受信を確認することが可能です。また、誤ってOFFできないカバー付き電源スイッチを採用しています。
出力は、PCへの出力(Ethernet)以外にモニタ出力も装備しており、モニタ出力ではオシロスこープ等を接続することでLRIT信号の波形観測が可能となり、学校など教育現場で応用できます。また、運輸多目的衛星「MTSAT」からWEFAX信号*(アナログデータ)が配信されている間は、「ウェザーセンサー」に接続して受信することも可能です。
* WEFAX信号は平成19年末を目途に終了予定です。
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★主な定格
【アンテナ】
- 形式 オフセット型パラボラアンテナ
- 受信周波数1691MHz
- 耐風速60m/s
- 反射鏡口径 短径1225_長径1325mm
【ダウンコンバータ】
- 入力周波数1691MHz
- 出力周波数70MHz
- 電源電圧DC10〜15V
- 外形寸法 W218_H143_D96.5mm
【LRIT受信機(KSW-500)】
- 入力周波数70MHz
- 入力端子 F型(ダウンコンバータへDC15V供給)
- 出力Ethernet
- 出力端子 RJ45
- 電源電圧130W(100V、50/60Hz)
- 外形寸法(突起物含まず)W430_H88_D350mm
- 重量約6.1kg
* 定格・意匠は改善のため予告なく変更することがございます
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★必要なシステム構成
- オペレーティングシステム(OS):Microsoft® Windows® XP Professional、Microsoft® Windows® XP Home Edition
- パソコン:上記のOSのいずれかを正式にサポートしているIBM PC/AT互換機
- CPU:Intel® Pentium® III 550MHz以上
- メモリー:256MB以上(512MB以上を推奨)
- ハードディスク容量:空き容量500MB以上(1GB以上を推奨)
* 1カ月分の全データ容量:約1.2GB
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★商標について
- Microsoft®、Windows®は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標、または商標です。
- IBMおよびPC/ATは、米国International Bussiness Machines Corporationの登録商標です。
- Pentium®およびIntel®は、Intel Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
- 雲画像写真提供:気象庁
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ケンウッドは、「Mobile & Home Multimedia System」の分野で、カーエレクトロニクス、コミュニケーションズ、ホームエレクトロニクスの3事業を展開しています。そして、国内12社、海外24社の関連会社とともに、「新鮮な驚きや感動で、人々に幸せな気持ちを創ろう」というビジョンの実現をめざします。 |
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Updated 2005/07/27 (C) 2005 KENWOOD Corporation