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発行日:2004年1月8日

ニュースリリース

<カーエレクトロニクスビジネスに関するお知らせ>


米国で民生初のHDラジオチューナーを発売
デジタル衛星放送用に続きデジタル地上波放送用をラインアップ


株式会社ケンウッド(社長:河原 春郎、本社:東京都八王子市)は、アメリカで開始されたデジタル地上波放送HDラジオ*(High Definition Radio)に対応した車載用チューナーを業界で初めて民生化し、アメリカ市場で販売を開始しましたのでお知らせします。
* HDラジオについては本リリースの後半で説明しています。


品名 型番 希望小売価格 発売時期 当初月産台数
車載用
HDラジオチューナー
KTC-HR100 US$350程度 2004年1月初旬 300台


KTC-HR100 KDC-X969
車載用HDラジオチューナー KTC-HR100 KTC-HR100と接続可能な当社製カーオーディオ(KDC-X969)


  1. 当社のHD Radioへの関わり

    創業以来、独自の発想で高いラジオ受信技術を培ってきた当社は、近年の放送のデジタル化を大きなビジネスチャンスととらえて、新たな放送方式の調査・研究を行いながら、各種デジタル放送用チューナーの開発を進めています。
    1994年1月には、欧州の新しいデジタル地上波放送であるDAB(Digital Audio Broadcasting)の開発および普及促進を図るための組織「ユーレカ147プロジェクト」に参画し、1996年2月に日本メーカーとしては初めてDAB用の計測機器を発売、1997年6月には同じく日本メーカーとしては初めて民生用のDABチューナー付きカーオーディオ(車載用レシーバー)を発売しました。
    また、2000年3月には、米国でデジタル衛星放送が開始されるのを受けてSIRIUS(シリウス)社とデジタル衛星放送受信機に関する開発契約を結び、2002年2月に同社がSIRIUS衛星放送を開始するのにあわせて民生用のSIRIUSチューナー搭載カーオーディオ(車載用レシーバー)を発売しました。その後、2003年12月末までに累計約25万台を出荷し、SIRIUSチューナーのトップメーカーとして、またSIRIUS社のパートナーとして、デジタル衛星放送の普及とSIRIUS社の飛躍に向けた取り組みの一翼を担ってきました。
    そして、今回のHDラジオに関しても、IBOC(In Band On Channel)方式による同放送を提案した米国のiBiquity(アイビクイティ)社と2002年10月に開発契約を締結し、当社が同放送に対応したデジタル地上波放送用受信機の開発と商品化を手がけ、iBiquity社が同放送システムの開発と設備の整備を進めてきました。従来のアナログFM/AM放送は80年以上の歴史をもち、放送技術・受信技術ともに進化を続けてきましたが、今回のIBOC方式によるデジタル地上波放送はそれを凌ぐ新しいラジオ技術で、チューナーの開発にあたっては当社が長年培ってきたラジオ受信技術と最先端のデジタル技術のそれぞれが活かされています。
    今回、当社が発売するチューナーは当社製のカーオーディオ(車載用レシーバー)と組み合わせて使用するオプションタイプですが、現在も小型・軽量化を進めており、1月8日から11日までアメリカ・ラスベガスで開催されるCES(International Consumer Electronics Show)ではHDラジオチューナーを内蔵したカーオーディオ(車載用レシーバー)を参考出品します。当社では、SIRIUS衛星放送チューナーと同様に、このインダッシュタイプを市場拡大と販売拡大に欠かせない普及モデルと位置づけており、今後のアメリカ市場向けカーオーディオ製品のラインアップに、インダッシュタイプのHDラジオチューナー内蔵レシーバーを順次加えていく計画です。

  2. 製品の概要

    KTC-HR100は、米国のiBiquity社が開発を手がけたIBOC方式の新しいデジタル地上波放送HDラジオに民生用として初めて対応した車載用チューナーです。新しいデジタル放送と既存のアナログ放送の両方を受信することができるのが特徴で、当社製の車載用レシーバーと組み合わせて使用するオプションタイプのチューナーです。当社製の車載用レシーバーに本機を追加すれば、HDラジオが放送されているエリアでは各種番組をCD並みの高音質で楽しむことができ、HDラジオの電波が弱いエリアや、HDラジオが放送されていないエリアでは、本機が自動的に既存のアナログFM/AM放送を受信し、ユーザーはわずらわしい操作なしで各種放送番組を楽しむことができます。

    【主な定格】
    ●受信周波数: FM87.9MHz〜107.9MHz/AM530kHz〜1700kHz
    ●電源電圧: 14.4V(11〜16V)
    ●消費電流: 500mA
    ●外形寸法: 188.5(W)_30.0(H)_145.5(D)mm
    ●重量: 750g

  3. HD Radio(High Definition Radio)とは?

    アメリカには膨大な数のラジオ放送局があり、現在は累計約7億台のチューナーが普及しているといわれています。なかでも、車社会のアメリカでは車載用の占める割合が高く、毎年3千万台程度の販売実績があるとみられています。
    近年、そうしたラジオ放送もアナログ方式からデジタル方式への移行が進んでおり、2001年9月にはまずXM Satellite(エックスエムサテライト)社によってデジタル衛星放送が開始されました。続いて、2002年2月にSIRIUS(シリウス)社が同放送に参入し、現在は両社あわせて120万人以上(うちSIRIUSは20万人)が加入する市場に成長しています。
    これに対してHDラジオは、iBiquity(アイビクイティ)社が提案したIBOC(In Band On Channel)方式のデジタル地上波放送です。2002年10月にFCC(Federal Communication Committee:米国連邦通信委員会)から認可され、2003年春にはニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコ、マイアミ、シアトルの6都市で放送が開始されました。現在は、300局近いラジオ局が契約を行い、全米3分の2の放送エリアをカバーするまでに普及しています。
    このHDラジオの特徴は、既存のアナログ電波にデジタル信号を乗せるIBOC方式を採用したことによって、新たなデジタル放送向けに周波数帯を確保することなく、既存のFM/AM放送の周波数帯を利用してデジタル放送を行うことができる点にあります。これによって、放送局は既存のサービスエリアを変更することなく、CD並みの高音質を実現することができます。また、デジタル衛星放送が有料であるのに対してHDラジオは既存のFM/AM放送と同様に無料で、ユーザーは新たなアンテナを用意する必要もありません。さらに、デジタル衛星放送と比べると、HDラジオでは地域に密着した音声放送あるいはデータ放送が可能で、放送局にとっては新たな収入源として、ユーザーにとっては新たな情報源として期待できます。

  4. iBiquity社の概要

    (1)名称: iBiquity Digital Corporation(アイビクイティ・デジタル・コーポレーション)
    (2)設立: 2000年8月
    (3)所在地: アメリカ合衆国メリーランド州コロンビア
    (4)社長: 社長:Robert J. Struble(ロバート・ストラブル)
    (5)事業内容: HDラジオ技術の開発およびライセンス供与


本件に関するお問い合わせ先

お客様窓口: ケンウッドカスタマーサポートセンター TEL:045(933)5212
報道・出版窓口: 経営戦略統括部 広報室
能勢
TEL:0426(46)6724
FAX:0426(46)1440
報道・出版関係の方専用アドレス E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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経営戦略統括部 宣伝ブランド室 TEL:0426(46)6733
FAX:0426(46)6729

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Updated 2004/01/08 (C) 2004 KENWOOD Corporation