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ニュースリリース

<お知らせ>


中期経営計画−「エクセレント ケンウッド・プラン」の策定
営業利益10%、ROE 20%、復配と実質無借金の《 世界のエクセレントカンパニー 》へ

株式会社ケンウッド(社長:河原春郎、本社:東京都八王子市)は、昨年12月末に再建の諸施策を完了し、本年3月期において再建を果たし、真の再生と今後の更なる飛躍を目指す、中期経営計画「エクセレント ケンウッド・プラン」を策定し、本日開催の当社取締役会にて承認いたしましたのでお知らせいたします。

「事業構造改革」「コスト構造改革」「経営構造改革」と「財務構造改革」を終え、第74期(平成15年3月期)は4期ぶりの大幅黒字化、V字回復を達成いたしました。第75期(平成16年3月期)は中期経営計画初年度として「構造改革」の成果が全面的に通年として反映され、赤字事業を一掃しホームエレクトロニクス事業を始め収益の大幅改善を実現し、真の再生を果たした姿となります。この再生初年度を出発点として、新たな成長、競争力、収益力の飛躍的な増進により、復配と実質無借金を目指す「エクセレント ケンウッド・プラン」を以下の通り策定いたしました。

1.目標の設定

過去から決別し、再生を果たして営業利益10%、ROE 20%、復配と実質無借金経営(ネットデットゼロ)の「世界のエクセレントカンパニー」を目指して新たな飛躍を遂げてまいります。
当社のコア・コンピタンスである「音と通信」を極限まで追及し、各事業分野において市場競争力と事業収益力を飛躍的に向上させ、21世紀に最も期待される“Mobile & Home Multimedia System”事業において世界にプレゼンスのあるエクセレントな企業を目指してまいります。
本計画の初年度(第75期(平成16年3月期))は計画予測値、最終年度である第77期(平成18年3月期)には、下記の目標値を設定し、この中期計画の中で、復配を目指します。



【数値目標の説明】
(1) 初年度:第75 期(平成16年3月期)
売上高
再建後の通年で再出発の年となり、売上高は減少します。
営業利益
ホームエレクトロニクス事業構造改革により黒字体質となること、携帯電話事業の撤退他、赤字事業の一掃により前期比40%増と大幅増益となります。
棚卸資産
生産革新活動の初年度であり、まず前期比3分の2まで削減を目指します。
有利子負債(実質有利子負債=有利子負債−現預金等)
4月に50億円の社債の償還を完了し、金融機関との協定に基づく返済計画を織り込んでいます。
(注) ROE
繰越損失により大きな値となるため、表記しておりません。例えば、第74 期実績では、当期純利益 4,22 1 百万円に対し繰越損失を除いた実質的な株主資本でROE を算出すると7.4 %となります。

(2)

最終年度:第77期(平成18年3月期)
売上高
第75期から年率7.9%の成長を見込みます。
営業利益
商品開発、事業への再投資により、ホームエレクトロニクス事業の収益事業化とカーエレクトロニクスおよびコミュニケーションズ事業の高収益力を維持、増進しながらの成長によって対74期倍増をねらいます。
棚卸資産
生産革新により対74期比半減を目指します。
実質有利子負債(ネットデット)
運転資金として200億円余りの借入金は必要ですが、借入金は現預金の範囲内、実質無借金(ネットデットゼロ)を目指します。
ROE 20%
繰越損失も解消し、株主資本が充実した中での世界のエクセレントカンパニーの指標である20%を目指します。
復配
繰越欠損は既に最終年度には解消されていることを目指しており、この中で当然復配を目指したいと考えます。


2.基本戦略・方針

「抜本再建計画」アクションプランによって、構造改革した企業体質から更に、生産革新によって大幅なコストダウンとキャッシュフローを生み出し、新商品開発、技術開発、設備投資、ブランド力強化、従業員などへの再投資によって、市場競争力と事業収益を飛躍的に高め、カーエレクトロニクス、ホームエレクトロニクス、コミュニケーション(無線)の3つのコア事業に経営資源を集中することにより、上記目標の達成を目指してまいります。

(1) 生産革新による市場競争力・事業収益力の飛躍
生産革新で生み出す効果によって、商品競争力強化、技術開発および設備投資、ブランド力強化および従業 員などへの事業再投資を行い、市場競争力と事業収益力の飛躍を目指します。
(2) 国内販売体制の再構築と5 極グローバル販売体制の増進
(3) 実質無借金経営(ネットデットゼロ)への新たな財務構造改革
(4) 連結経営の強化によるグループ改革とIT システム改革
(5) 環境経営への取組み強化
(6) 業界再編への主体的取組み


3.生産革新による市場競争力、事業収益力の飛躍

再建という課題を解決した実行力をベースに、戦略のベクトルを再生から成長へ転換し、新たな飛躍を目指して、第75期から生産革新を進めております。
その第一歩として、「アジアに勝てる国内工場の復活」、「海外工場の競争力再革新」を目指し、CEO直轄の「生産革新推進本部」を本年3月1日付で発足し、活動を開始しました。
「KENWOOD Quarter QCD Revolution」のスローガンの下に、(1)不良率、(2)生産間接コスト、(3)生産リードタイムのそれぞれについてQuarter(1/4)化と調達イノベーションによる材料費コストダウン年10%を目指してグループ全生産拠点を対象とする生産革新を展開しております。
この結果、2年間で、コストダウン30%、棚卸資産を半減を達成目標としております。
これによって生み出される効果を、競争力強化として市場へ還元すると共に、毎年30〜50億規模で新商品開発、技術開発および設備投資、ブランド力強化、従業員への再配分等、事業への再投資を行って事業収益力の飛躍を目指します。


4.事業別戦略



(1) カーエレクトロニクス事業
【目標】
世界の市販市場で世界のグローバルトップを目指します。
OEM体制の構築により77期末に売上倍増を目指します。
ビジュアル戦略を再構築し、拡大する市場に対応します。

【数値目標】
売上成長 年率8.3%(OEM増等による成長)
営業利益率 9.5%(商品・市場変化に対応して漸増)

【戦略】
市販市場については、音とヒューマンインターフェースを基軸とした独創的な商品の継続的開発により、オーディオカテゴリーでのグローバルトップを維持します。
また、急成長しているナビ・ビジュアル市場での飛躍を目指し、開発体制の強化、ラインアップの拡充、販売の拡大を図りながら、市販総合として高い収益力を確保します。
OEMの売上拡大のため、更なるシェアアップと新たな自動車メーカーへの参入を目指します。そのためにOEM開発、生産体制の強化、国内外営業体制の整備・強化を図ります。
ナビ・ビジュアル分野(ナビゲーション・車載DVD等)の開発体制を再構築・強化し、今後のテレマティクス商品の開発を含め、成長市場に対応していきます。
開発については他社との協業も積極的に推進してまいります。

(2)

ホームエレクトロニクス事業
【目標】
利益あるホームエンターテイメント専門メーカーとしてグローバルトップを目指します。
商品カテゴリーを Multimedia、Pure Audio、Portable に絞って世界展開します。
ネット・オーディオを進化させHome と Car(Mobile) Multimedia、Portable Audio を統一コンセプトの中で統合します。
【数値目標】
売上成長 年率19.7%(新しい商品群の充実による新たな成長)
営業利益率 5.8%(商品政策、販売政策等の強化により、収益事業を目指します)
【戦略】
ホームシアターに注力し、それを更に推し進めた商品を開発提案しホームエンターテイメント専門メーカーとして、この分野でトップを目指してまいります。商品においては、PURE AUDIO=「音質」を重視するとともに、ネットオーディオから更にHome Entertainment Network Systemを展開してまいります。

(3)

コミュニケーションズ事業
【目標】
業務無線のグローバルシェア10%で不動の位置を築きます。
無線LAN技術を含む産業データ通信システム・サプライヤー事業の構築をします。
【数値目標】
売上成長 年率4.0%(米州、中国、アジアなどで成長)
営業利益率 20%(引き続き堅調な収益力を確保)
【戦略】
業務用無線システムのデジタル化を進め、主な市場である米州でシステム(通信インフラと端末のパッケージ)の販売を強化し、端末からシステムプロバイダへと脱皮してまいります。
これから成長が見込まれるアジア/中国での事業拡大を図るとともに、無線LAN技術を含む産業データ通信市場での新規事業の基礎を確立し、今後のコミュニケーション事業のコアとして立ち上げてまいります。


5.財務戦略

繰越欠損の早期解消及び復配を目指します。
収益力強化と資本準備金の取崩によって、早期に繰越欠損の解消と復配を目指します。
収益力強化と共に棚卸資産の圧縮等を進め、キャッシュフローの大幅増加を図ることによって、実質無借金経営(ネットデットゼロ)を目指します。


6.技術開発戦略

お客様に新鮮な驚きや感動を創る知的集団となって、世界にブランド力を高め、それにふさわしい商品を提案するために以下の技術ビジョンを展開してまいります。

* デジタル、ネットワーク、ビジュアルなど、先進的技術開発とともに当社のコアコンピタンスの磨き上げに最注力してまいります。
* 開発体制では、音質研究室、技術戦略開発センターを既に発足させ、専門性をより高め、技術内容や商品訴求においてケンウッドらしさを高めてまいります。

(1) Desired Application
多くのお客様が使いやすくて便利で且つ使って頂いて楽しいアプリケーション技術と商品を追求します。
(2) Advanced Multimedia
デジタル、ネットワーク、ビジュアル技術の戦略技術開発を進め、音、文字を含めたマルチメディア技術で差別化し、ホーム・カー・無線の3事業のコア技術を組み合わせ、シナジー効果を生む技術と商品を追求します。
(3) Pure Sound and Visual
驚きと感動を創る「音質・画質」づくりでは、「Pure」をコンセプトとし技術訴求を行ないます。


7.ブランド力強化戦略

グローバルブランドとしてのKENWOODブランドの強化に取り組みます。
全世界的視野に立ち、世界各国で、統一したコンセプトのもとに重点的ブランドプロモーションを拡充し、地域密着した対応をすすめます。
これにふさわしい商品の提案へ向け企画、開発、競争力強化に強力に取り組んでまいります。


<ご参考>連結当期純利益推移(平成10年3月期〜平成18年3月期)
* 平成16年3月期〜平成18年3月期は、当社「エクセレント ケンウッド・プラン」による計画目標値。



留意事項
ここに記載されている当社の事業計画および見通しは、当社が現時点で入手可能な情報から得た判断に基づく将来の予想であり、実際の業績は、様々な要素により、これらの業績見通しとは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。従いまして、これらの見通しのみに依拠した判断をされることはお控えいただくようお願いいたします。
当社の主たる事業活動領域であるエレクトロニクス業界は変動が激しく、技術、需要、価格、競争状況、経済環境の変化、為替レ−トの変動、その他の多くの要因が業績に影響を与えることがあります。


本件に関するお問い合わせ先
  株式会社ケンウッド 経営戦略統括部 TEL 0426-46-6724
  IR室 和久 FAX 0426-46-6729
E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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Updated 2003/05/16 (C) 2001 KENWOOD Corporation