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ニュースリリース

<お知らせ>


音声合成技術に関して 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所と
カーナビゲーションシステム等 車載機器分野への応用に関する契約を締結
好みのタレントの声で、カーナビ案内が可能に!

株式会社 ケンウッド(社長:河原 春郎、本社:東京都八王子市)は、このほど株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(略称:ATR*、社長:畚野信義、本社:京都府相楽郡精華町)と、車載機器における音声合成技術の実施権契約を締結しましたのでお知らせいたします。

* ATR:Advanced Telecommunications Research Institute International

今回の契約について

当社は、長年にわたって蓄積されたオーディオ技術や通信技術とともに、デジタル圧縮音楽データの音質向上技術「Supreme」を初めとするデジタル信号処理技術を保有しています。また、カーナビや車載AV機器においては、市販品だけでなく数多くの自動車メーカー様への純正品納入実績があります。
株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(以下ATR)は、長年にわたって音声などに関する基礎技術研究に取り組んでおり、音声合成技術についてはコーパスベースと称する、より自然で肉声感のある音声合成方式を開発し、その基本特許を保有しています。これまでATRは、天気予報や券売機等の音声応答システムを中心に応用開発を行ってきましたが、このコーパスベース音声合成は他方式に比べて人間の肉声に非常に近いという特徴がある反面、音声辞書に必要なメモリー容量が大きいため機器への組込搭載方式等については検討を重ねてきました。
今回ATRのコーパスベース音声合成技術「WizardVoice」と当社のデジタル信号処理技術を融合・応用することで、高音質を維持しながら音声辞書容量を大幅に削減した音声合成(コーパスベース・サブバンド音声合成と称す)を実現しました。
車載機器分野における音声合成技術の応用・ビジネス展開を計画している当社とATRは、車載機器分野での実施権契約を締結し、コーパスベース・サブバンド音声合成技術を優先して車載機器に搭載していくことが可能となりました。


音声合成の現状とコーパスベース・サブバンド音声合成技術について

携帯電話やカーナビの急速な普及、インターネットによる情報インフラが社会に浸透する中で、情報機器の一層の使いやすさが求められています。音声合成を使ったヒューマンマシンインターフェースは誰もが自然に使えるコミュニケーションメディアとして期待され、これまでにも音声合成を利用したサービスは多々ありましたが、イントネーションが自然でなかったりロボットのような機械的音声であったりしたために広く受け入れられませんでした。
今回のコーパスベース・サブバンド音声合成技術は、人間による読み上げ音声をそのまま音声辞書として使用するため、あたかも録音したかのような温かみのある音声を再現することができ、かつ非常に少ない音声辞書容量が可能となります。
これにより例えば俳優や声優、有名人の音声辞書を作成することで、まさに本人が話しているような合成音声を携帯電話やカーナビなどの民生機器で再現することを狙います。
音声辞書については、まずは日本語を開発中ですが、多言語への対応も検討中です。
なお、本技術については関連特許を12件出願中です。

コーパスベース音声合成:
録音された人の音声から音声辞書を作成し、合成したい文章に応じた音韻の並びや長さ、声の高さの条件が適合しかつなめらかに繋がる音声を音声辞書から選び出してこれらの音声をつなぎあわせ、合成音を作成します。
サブバンド:
音声信号を波形から周波数へと信号変換する技術で、MP3など音楽信号圧縮で利用されている方式です。人間の耳は周波数の時間的変化を感じて音声を認識しています。音声を周波数情報とその時間的変化として辞書化することで、コーパスベースで使用する音声辞書の大幅な縮小が可能となります。
Supreme:
MP3を初めとするデータ圧縮による音質劣化の原因となるデータの欠落をデジタル信号処理を使って補完することにより、原音に近い音楽データを再現するケンウッドの独自技術です。


音声合成の応用例

カーナビゲーション、音声自動応答システム、防災通報システム、駅構内やバス車内の音声案内、おもちゃ、ゲーム、留守番電話、携帯電話、PDA、PC、電子ブック、教育用ソフト、福祉関連など

株式会社 国際電気通信基礎技術研究所 (ATR)
設立: 1986年
資本金: 220億円
社員数: 330名
住所: 〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2
・音声言語コミュニケーション研究所:多言語音声翻訳の研究
・適応コミュニケーション研究所:無線アドホックネットワークの基盤技術の研究
・人間情報科学研究所:「人間を理解する」立場からコミュニケーションの本質の究明に向けた研究
・メディア情報科学研究所:感動や体験を生み出すメディアの研究
・知能ロボティクス研究所:人とコミュニケーションするロボティクスの研究


参考:コーパスベース・サブバンド音声合成の概念図
参考:コーパスベース・サブバンド音声合成の概念図


本件に関するお問い合わせ先
  報道・出版窓口:株式会社ケンウッド 経営戦略統括部 TEL 0426-46-6733
  広報宣伝室 笠原/久保田 FAX 0426-46-6729
E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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Updated 2003/01/27 (C) 2001 KENWOOD Corporation