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<デバイス>


広帯域CSデジタル放送に対応したNIMを発売
業界最小サイズでBSデジタル放送/
広帯域CSデジタル放送の
信号復調に必要な機能を全装備

株式会社ケンウッド(社長:中野 宏、本社:東京都渋谷区)は、来年放送開始予定のCS(通信衛星)デジタル放送に対応したNIMを開発、TV受信機メーカー、放送事業者向けOEM供給を、2002年2月より開始する運びとなりましたのでお知らせします。

*NIM(Network Interface Module): フロントエンドモジュール
(文末参照)

製品名 標準価格 発売
XBM-103シリーズ オープン価格 2002年2月



XBM-103シリーズ
NIM(ネットワーク・インターフェース・モジュール):XBM-103シリーズ


1.製品の内容

今回発売のNIMは、2000年12月に開始されたBSデジタル放送に加え、2001年末より試験放送開始予定の広帯域CSデジタル放送の信号復調に必要な機能をすべて備えたキーパーツで、放送受信には不可欠な部品です。

本製品は新規の中間周波段、ZIF-IC(Zero IF-IC)の採用により、業界最小レベルの低消費電力化と、当社高密度実装技術により更なる小型化を図り業界最小サイズで実現しました。(当社従来比:消費電力60%減、体積比20%減)。

降雨、降雪時などの低C/N下でも安定した受信特性と優れたBER特性を実現し、出力信号としてトランスポートストリームを出力するもので、デジタル放送対応のセットトップボックスを始めとしてテレビ、VTR、PCボードなど、適用範囲が広い点が特長です。

当初出荷にあたっては、NIMに加え、その評価用ボード、デバイス駆動ソフトを同時供給し、TV受信機メーカーの開発期間短縮に寄与します。デバイス駆動ソフトはリアルタイムOSを始め、Windows にも対応しており、必要な機能は全てソフト内部にて自動処理されます。

本件に関する関連パテントについては、20件が登録済、49件を出願中です。
(Windowsは、米国マイクロソフト社の米国およびその他の国における登録商標です)


2.背景と今後の取り組み

当社では、NIMについては、2000年末放送開始となったBSデジタル放送対応の第一世代製品を出荷した実績があります。またデジタル放送関連では、早くから(1990年頃)技術開発に着手し、既に欧州デジタル音声放送(DAB)用カーオーディオ、STB(セット・トップ・ボックス)や関連計測器を商品化しております。

国内デジタル放送は、2002年春にCSデジタル放送が本放送を開始、BS、CS等衛星デジタル放送に加え、ケーブル配信によるサービスや2003年末開始予定の地上波によるデジタル放送が開始されることで本格的なデジタル放送時代を迎えることが予想されます。

今後は、衛星、ケーブル、地上波デジタル放送の各分野において、テレビ放送受信機、ホームAVシステムへの応用展開を視野に入れ、計測機器などを含めた関連機器の商品開発にも積極的に取り組んでいく計画です。

なお、本製品は11月14日から開催の国際放送機器展 Inter BEE(幕張メッセ)にて出展します。


3.主な仕様

  1. 基本信号処理

    • チャンネル選択:BS−IF/CS-IFの中からチャンネル選択
    • 復調:時分割多重された8PSK/QPSK/BPSK変調波を復調。クロック再生、同期捕捉などによりスーパーフレーム等タイミング生成
    • 波形整形:ロールオフ率0.35ルート配分/波形等価イコライザ内蔵
    • 誤り訂正符号(内符号):トレリス/ビダビ復号
    • TMCC復号:復号信号からTMCC部を取り出し復号
    • フレーム再構成:復号信号からフレーム構造を再構成
    • エネルギー逆拡散:M系列15次PN信号で逆拡散
    • 誤り訂正符号(外符号):短縮化リードソロモン復号
    • TS選択:TS−IDまたは相対TS−IDにより選択されたTSを出力

  2. 入出力

    • 入力端子:高周波同軸C15形コネクタ相当レセクタプル
    • インピーダンス:75Ω
    • 受信周波数:950〜2150MHz
    • 入力信号レベル:−65dBm〜−25dBm
    • TS出力:パラレルまたはシリアル形式の、選択TSあるいは再多重化TS(48スロット形式)
    • ループスルー出力:入力信号の分配出力
    • NIM制御入出力:シリアルバス・インターフェース
    • 寸法:37.1(D)_65.1(W)_12.1(H) mm(突起部除く)
    • 電源:+30V、+5V、+3.3V、+1.5V
      (総消費電力:1.2W[Typ.])
    • 形状:縦型(ループスルー有/無)/横型(ループスルー有/無)


参考:NIM(Network Interface Module)

放送のデジタル化が進められる中で、欧州のDVB規格や日本のISDB規格では衛星波、ケーブル波、地上波のいずれかの伝送路を用いた放送でも視聴者が1台の受信機で視聴を可能にすることが目標とされています。

規格の共通化によって視聴者のコスト負担および放送コストの低減にも大きく影響することになります。受信機を共通化するにあたって、信号を受信するチューナ回路部分と、伝送のために変調をかけた信号を復調し、誤り訂正(FEC)する回路については、各々の伝送路に合わせた構成が必要となるため、分離してモジュール化し、それ以降の回路(バックエンド)を共通化することが現実的な方法となります。

フロントエンドのモジュールは、入力が放送ネットワークからの電波であり、出力のインターフェースが MPEG2のトランスポート・ストリームとして規格化されている事から、"Network Interface Module" 「ネットワーク・インターフェース・モジュール」と呼ばれています。


本件に関するお問い合わせ先

ケンウッドCC部 IR広報室 TEL:03(5457)7120
FAX:03(5457)7140
デバイス事業部 NIM担当 NIM-SUPPORT@kenwood.co.jp
FAX:0426(46)5225

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Updated 2001/11/08 (C) 2001 KENWOOD Corporation