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ニュースリリース

<新製品案内>


圧縮された音楽信号の高音質再生を可能にする、
注目の新技術
「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」開発!
高調波部分を演算して補間、
あらゆるフォーマットに応用可能

株式会社ケンウッド(社長:酒井田 格、本社:東京都渋谷区)は、MP3をはじめとした圧縮フォーマットの音楽データの音質を飛躍的に向上させる画期的新技術「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」を開発、今後の製品に順次採用していくこととなりましたのでお知らせいたします。


★開発の背景及び「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」の概要

 MP3をはじめとした圧縮形式の音楽データフォーマットは、データ量を小さくできる反面、圧縮の際に元々の音楽データを間引くため、特に高音域を中心に再生時にデータの欠落が多く発生、音質劣化の原因となっています。

 インターネットを通じて音楽の配信が始まっている現在、配信に適したデータ量と相反する音質劣化の問題を解決する手段の必要性が唱えられています。

 このたび弊社が開発いたしました「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」は、圧縮され欠落している高音域帯のデータを、現存する音楽データの相関関係を分析することにより高調波成分として補間、より原音に近い音楽データの再生を実現する弊社独自の新技術です。また、圧縮されたデータだけではなく、例えば元々高調波成分が欠落しているFM放送や今年末から開始されるBSデジタル放送など、各方面への応用も可能。低ビットレートで記録された音楽信号の再生時にも効果を発揮します。

 本格的な音楽配信時代到来が唱えられている現在、配信される音楽の音質劣化問題を解決する手段として注目の技術です。

 なお、本件に関しましては数件の特許を申請中です。



★技術概要

 音楽信号の高域部分は元々高調波成分が多く含まれており、もとになる楽器などが直接出す周波数の整数倍に相関関係を持って高調波が発生します。

 一方、圧縮された音楽信号などは、主にこの高調波成分がカットされており、音楽再生時の楽器の余韻などに不足感を感じる原因になっています。

 弊社では、この高調波成分の相関関係に注目、音楽信号を常にいくつかの周波数ブロックに分けて監視し、相関関係を持った信号を高調波成分と判断して最適なレベルを瞬時に演算、元々あったはずの高調波成分を高い周波数帯まで補間することにより、より自然な音楽信号として出力することに成功いたしました。

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実際の音楽信号における、ON/OFF効果(例:MP3)

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Supreme D.R.I.V.E.なしの状態

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Supreme D.R.I.V.E.をONにした状態



★<参考>基本波成分と高調波成分

 例えば、ギターの弦は両端が固定されており、弦の振動は互いに反対方向に進む波と波の合成になります。この合成波は、移動せずに定位置に留まるために、定在波(standing wave)と呼ばれるものが発生します。つまり、この定在波が弦の共鳴周波数であり、基本波成分です。そして、弦の長さが半波長の整数倍の時に共鳴し、弦振動が共振することから、整数倍の高調波成分も発生します。

 このたび開発した「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」は、この欠落した高調波成分をサインの高次の式を追加して補間するような処理を行っています。



★今後の展開

「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」は、今後発売される弊社製品に順次搭載していくほか、圧縮フォーマット用の音楽再生プレーヤーを製造している各メーカーや、音楽配信サービス業界に採用を働きかけて参ります。


★本技術を採用いただいた製品

TDK株式会社 MP3 Audio Magic



本件に関するお問い合わせ先

ケンウッド広報室  山田 TEL:03(5457)7120
FAX:03(5457)7110
E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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Updated 2000/09/01 (C) 2001 KENWOOD Corporation