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<お知らせ>


BSデジタル放送受信用
フロントエンドモジュール:NIMを
テレビ業界向けOEM部品として商品開発

ケンウッド(社長:酒井田 格, 本社:東京都渋谷区)は、このほどBSデジタル放送受信機用のフロントエンドモジュール:NIM(BMシリーズ)を開発し、部品事業の皮切りとしてテレビ受信機メーカーへのOEM供給に向けたサンプル出荷を、8月末より開始する運びとなりましたのでお知らせします。

* NIM(Network Interface Module):文末参照


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★開発内容

 今回開発のNIMは、2000年12月に日本で開始予定のBSデジタル放送の信号復調に必要な機能をすべて備えたキーパーツで、BS受信には不可欠な部品です。

 本部品の特長としては、ダイレクトコンバージョン方式を採用、復調方式に準同期検波方式を採用して、2チップ構成により低コストを実現しています。

 性能的には降雨、降雪時などの低C/Nの下でも安定した受信性能と、優れたBER特性を実現(TC8PSKでは、BS−IF折り返しでC/N=9dB以下まで疑似エラーフリー)し、出力信号としてトランスポートストリームを出力するもので、デジタル放送対応のセットトップボックスを始めとしてテレビ、VTR、PCボードなど、適用範囲が広い部品です。

 今回、テレビメーカーからの要望に沿った部品としてNIMの形で提供、また当初出荷にあたっては、NIMに加え、その評価用ボード、デバイス駆動ソフトを同時供給し、テレビメーカーの開発期間短縮に寄与します。NIMの量産出荷時にデバイス駆動ソフトを同時供給するのは業界としては初めてのこととなります。

 本部品は、LSIロジックと共同開発したLSIデコーダチップを搭載したもので、生産は通信機器で高周波技術、高密度実装技術をもつ、弊社100%関連会社である山形ケンウッドで行います。

★背景と今後の取り組み

 ケンウッドは、デジタル放送関連では既に欧州のデジタル音声放送(DAB)用カーオーディオや計測器を商品化しており、BSデジタル放送の伝送技術に関しても1990年から開発に着手し、すでにプロトタイプ受信機や関連計測器の商品化しています。

 今後、さらに高集積化による小型化を図るとともに、将来的にはテレビ放送受信機、ホームAVシステムへの応用展開も視野に入れ、計測機器など含め関連機器の商品開発にも積極的に取り組んでいく計画です。

 なお、国内デジタル放送の市場は、現在のCS(通信衛星)に加え、BS(放送衛星)や地上波によるデジタル放送が開始されることで本格的なデジタル放送時代を迎え、2005年には600万台市場(日本)が見込まれています。

★主な仕様(NIM)

(基本信号処理)

  • チャンネル選択:BS−IFの中からチャンネル選択
  • 復調:時分割多重された8PSK/QPSK/BPSK変調波を復調。クロック再生、同期捕捉などによりスーパーフレーム等タイミング生成
  • 波形整形:ロールオフ率0.35ルート配分
  • 誤り訂正符号:トレリス/ビダビ復号
  • TMCC復号:復号信号からTMCC部を取り出し復号
  • フレーム再構成:復号信号からフレーム構造を再構成
  • エネルギー逆拡散:M系列15次PN信号で逆拡散
  • 誤り訂正符号:短縮化リードソロモン復号
  • TS選択:TS−IDまたは相対TS−IDにより選択されたTSを出力

(入出力)

  • BS−IF入力端子:高周波同軸C15形コネクタ相当レセクタプル
  • インピーダンス:75Ω
  • 受信周波数:950〜1500MHz
  • 入力信号レベル:−65dBm〜−25dBm
  • TS出力:パラレル or シリアル形式の選択されたTSあるいは再多重化されたTS
  • BS−IFループスルー出力:BS入力を分配して出力(仕様はIF入力と同じ)
  • NIM制御入出力:IICインターフェース

  • 寸法:43×95×14mm(突起部除く)
  • 電源:+30V、+15V、+5V、+3.3V(ループスルー端子より+15V供給可能)


参考:NIM(Network Interface Module)

 放送のデジタル化が進められる中で、欧州のDVB規格や日本のISDB規格では衛星波、ケーブル波、地上波のいずれの伝送路を用いた放送でも視聴者が1台の受信機で視聴を可能にすることが目標とされています。

 規格の共通化によって視聴者のコスト負担及び放送コストの低減にも大きく影響することになります。受信機を共通化するに当って、信号を受信するチューナ回路部分と、伝送のために変調をかけた信号を復調し、誤り訂正(FEC)する回路については各々の伝送路に合せた構成が必要となるため、分離してモジュール化し,それ以降の回路(バックエンド)を共通化することが現実的な方法となります。

 フロントエンドのモジュールは入力が放送ネットワークからの電波であり、出力のインターフェイスがMPEG2のトランスポート・ストリームとして規格化されていることから、"Network Interface Module"「ネットワーク・インターフェイス・モジュール」と呼ばれています。

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本件に関するお問い合わせ先

ケンウッド広報室  折原 TEL:03(5457)7120
FAX:03(5457)7110
E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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Updated 1999/08/26 (C) 2001 KENWOOD Corporation